(訳注 449) レオカレス Leochares  
      
      B.C.4 世紀後半にリュシッポス Lysippus と共に アレクサンダ−大王の宮廷彫刻家として活躍した。アテネ出身で 生歿年は不詳である。ハルカリナソスのマウソレウム  Mausoleum のおたまやフリ−ズを制作した  4 人の巨匠中最年少で 西面を担当した。 
       
      (訳注 450) プロスタシス prostasis  
      
      古代神殿のケラ  cella の前のプロナオス又はプロスタス  prostas を言う。プロスタスは古代神殿の前面部で、アンタ(壁端柱)又は側壁に囲まれた部分を言い、古典建築では 控えの間  antechamber や主室に通じる入口の間  vestibule を言う。 
      (訳注 451) オウラノペテス ouranopetes  
        
        <天から贈られた>の意。< ouranos>は天 heaven を表わすギリシャ語である。 
      (訳注 452) クセノフオン Xenophone  
        
        B.C.434? - 355? 年。ギリシャの歴史家で 富裕なアテナイ市民の子。ペルシャ王子キュロス  Kyros の傭兵としてバビロン付近でペルシャ王と戦い 敗れて、1 万人のギリシャ兵を率いて退却した記録アナバシス Anabasis 7 巻が有名である。スパルタ軍に加わってアテネに弓を引いて追放され、後年コリントで死んだ。 
      (訳注 453) ニキアス Nicias 
        
        B.C.470 年頃  - 413 年。アテネの政治家で将軍。大財産家で 土地所有者や農民を地盤として 極端な民主派好戦主義の指導者クレオン  Kleon に反対し、B.C.421 年にはスパルタとの間に所謂ニキアスの和約を結んだ。好戦的な活動を続けたアルキビアデス Alkibiades の提案したシシリ−島遠征に不本意ながら参戦して敗れ、処刑された。 
         
        (訳註 454) カリマコス Callimachos  
        
        B.C.5 世紀頃のギリシャの彫刻家で、コリント式柱頭の創始者とされる。コリントの一人の少女の墓の周りを取り囲んだアカンサスの新鮮な美しさに感動して デザイン化した新しい柱頭形式を作り上げたとされる。 
      (訳注 455) 卵鏃模様 egg - and - dart 
        
        <卵鏃文様>。古代ギリシャ・ロ−マ建築に用いられたモ−ルデイングで、卵形と鏃(やじり)形とを交互に並べた刳り形装飾。 
      (訳注 456) ハイポトラキリアム Hypotrachelium 
        
        古典建築の円柱で 柱頭と柱身との間の襟巻  necking と称されるような部材を言う。ギリシャ語は  hypotrachelion。複数形は hypotrachelia。 
      (訳注 457) アンテミア anthemia 
        
        忍冬(にんどう)模様、すいかずら模様、尾つなぎ模様のことで、建築装飾や花瓶の絵などで 放射状にあしらった花模様を言う。通常はパルメット  palmett とロ−タス  lotus の花をモチ−フとした装飾模様で、古典建築のフリ−ズなどに用いられた。ギリシャ語の anthos <花の意>から出た語である。 
      (訳注 458) ロ−タス lotus  
        
        その実を食べると夢心地になって 一切の浮き世の苦しみを忘れることが出来たという想像上の植物である。棘(いばら)のある木で 大きさと形とが西洋梨に似た 実のなる鼠李科に属するものとも言われる。(北アフリカ産の棗の一種 Zizyphus lotus を指すとも言われる。)この植物を束ねた形を 円柱装飾のモチ−フとした柱が、古代エジプト建築に多く見られる。 
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